昔話『一休さん』のあらすじ・内容解説・感想|おすすめ絵本
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 だれもが幼おさないころに聞きいたことのある、頓智とんちで有名ゆうめいな『一休いっきゅうさん』のお話はなしです。昭和しょうわ50年ねん(1975年ねん)にはアニメーションテレビ番組ばんぐみとしても放映ほうえいされていたので、世代せだいを超こえて人気にんきがあります。

 今回こんかいは、『一休いっきゅうさん』のあらすじと内容ないよう解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいします!

概要

一休さん 日本名作おはなし絵本 小学館 杉山亮 長野ヒデ子 お話はなしの主人しゅじん公こうである『一休いっきゅうさん』は、室町むろまち時代じだいの臨済りんざい宗しゅう大徳だいとく寺じ派はの僧そうである一休いっきゅう宗純そうじゅんの愛称あいしょうです。後ご小松こまつ天皇てんのうの落おとし胤だねと伝つたわります。

 主おもに、その生涯しょうがいに様々さまざまな説話せつわを残のこしたことから、江戸えど時代じだい前期ぜんきの元禄げんろく年間ねんかんに説話せつわ『一休咄いっきゅうばなし』が作つくられ、頓智とんちで一躍いちやく有名ゆうめいになります。

 『一休咄いっきゅうばなし』は作者さくしゃ不詳ふしょうですが、現在げんざいでも絵本えほんや童話どうわ、紙芝居かみしばいの題材だいざいとして多おおく用もちいられています。

 絵本えほん『一休いっきゅうさん (日本にっぽん名作めいさくおはなし絵本えほん)』は、小学館しょうがっかんから出版しゅっぱんされています。杉山すぎやま亮あきらさんが一休いっきゅうさんの有名ゆうめいな“とんち話ばなし”を、幾いくつも違和感いわかんなくうまい具合ぐあいにつなげて、それを長野ながのヒデ子こさんが可愛かわいらしく描えがいています。人情にんじょう味みたっぷりで、とても気持きもちが和なごむ一冊いっさつです。

 「講談社こうだんしゃの絵本えほん」として昭和しょうわ12年ねん(1937年ねん)に刊行かんこうされた『一休いっきゅうさん』が、平成へいせい13年ねん(2001年ねん)に現代げんだい仮名かなづかいで復刻ふっかんしました。一流いちりゅうの日本にほん画家がかによって緻密ちみつに描えがかれた絵えには、とても迫力はくりょくがあります。そして、宮尾みやおしげをさんの描えがく一休いっきゅうさんの絵えは、とてもインパクトがあります。『一休いっきゅうさん (新しん・講談社こうだんしゃの絵本えほん)』はおすすめの絵本えほんです。

 『一休いっきゅうさん (寺村輝夫てらむらてるおのとんち話ばなし 1)』は、あかね書房しょぼうから出版しゅっぱんされています。色々いろいろな一休いっきゅうさんの本ほんが出版しゅっぱんされていますが、こちらは一休いっきゅうさんによる“とんち話ばなし”を集あつめた正統せいとう派はの一冊いっさつです。ヒサクニヒコさんによる絵えは、表情ひょうじょう豊ゆたかで親したしみやすく、すべての場面ばめんが丁寧ていねいに描えがかれていて、また文章ぶんしょうは簡単かんたんな漢字かんじにもルビが振ふってあるため、小学校しょうがっこう低学年ていがくねんでも読よむことができます。とんち話ばなしが全ぜん9篇へん収録しゅうろくされています。

 学習がくしゅう漫画まんが『一休いっきゅうさん とんちで名高なだかい禅宗ぜんしゅうの僧そう (世界せかいの伝記でんき)』は、集英社しゅうえいしゃから出版しゅっぱんされています。一休いっきゅうさんの「一代記いちだいき」が漫画まんがになりました。幼少期ようしょうきの“とんち話ばなし”の一休いっきゅうさんは多おおくの人々ひとびとに知しられていますが、禅寺ぜんでらで厳きびしい修行しゅぎょうを積つみ、禅ぜんの道みちを極きわめ、悟さとりを得えた高僧こうそうである一休いっきゅう宗純そうじゅんのことは、ほとんど知しられていないのではないでしょうか。子こどもだけではなく、大人おとなにこそ読よんでいただきたい一冊いっさつです。

あらすじ

 むかしむかし、京きょうのはずれの安国寺あんこくじというお寺てらに一休いっきゅうという頓智とんちの利きく小坊主こぼうずがいました。

 安国寺の和尚おしょうさんは甘あまいものが大好だいすきで、いつもひとりでこっそり水飴みずあめを舐なめており、小坊主たちには子こどもが舐めると毒どくだと嘘うそを言いっていました。

 ある日ひ、和尚さんが出でかけると、小坊主たちはみんなで水飴を全部ぜんぶ舐めてしまいました。

 和尚さんが帰かえると、水飴がないことに気きがつき小坊主たちを責せめました。
 すると一休が、
 「大切たいせつな硯すずりを割わってしまったので、死しのうと思おもって毒どくを食たべましたがまだ死ねません」
と言い、和尚さんを呆あきれさせました。

 また別べつのある日、太平たへいという男おとこがお寺てらにやってきて和尚さんと碁ごを打うっては夜更よふけまで家いえに帰かえらないのでみんなが困こまっていました。

 そこで一休は、いつも太平が毛皮けがわのちゃんちゃんこを身みにつけていることから、
 「毛皮けがわを着きた者ものは寺に入はいってはいけません」
と張はり紙がみをしました。
 しかし、太平は
 「寺てらにある太鼓たいこもケモノの皮かわではないか」
と言うので、それならばと一休はバチを持もって太平を叩たたこうと追おい回まわしました。

 太平は、なんとか頓智で仕返しかえしをしてやろうと、和尚さんと一休を家いえに招まねきました。

 太平は、家の前まえの橋はしのたもとに、
 「この橋はしを渡わたるな」
と立たて札ふだがあるのに、一休が橋を渡ったので理由りゆうを尋たずねると、
 「端はしではなく真まん中なかを渡りました」
と言い、太平を感心かんしんさせました。

 やがて一休の頓智は将軍しょうぐんの耳みみに入はいり、ある日お城しろに呼よばれました。

 将軍から、
 「夜よるになると屏風びょうぶの虎とらが飛とび出だして悪わるさをするので縛しばってほしい」
と言われました。
 そこで一休は、
 「縛りますので屏風から虎を追おい出だしてください」
と言いました。
 将軍が、
 「絵えに描かいた虎を追い出せると思おもうか」
と問といかけると、
 一休は、
 「絵に描いた虎を縛れると思いますか」
と答こたえたので、将軍はただただ感服かんぷくするばかりでした。

 その後ご、一休は一休宗純いっきゅうそうじゅんと呼よばれ、とても偉えらいお坊ぼうさんになりました。

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解説

 一休いっきゅうさんは、6歳さいで京都きょうとにある安国あんこく寺じの侍童じどうとなり、27歳さいの時ときに大徳だいとく寺じの高僧こうそうである華叟かそう宗曇そうどんから印可いんかをうけます。

 その後ご、日本にっぽん各地かくちの庵いおりを転々てんてんとし、当時とうじの世俗せぞく化か、形式けいしき化かした禅ぜんに反抗はんこうして、奇行きこう、風狂ふうきょうの中なかに生いきます。

 文明ぶんめい6年ねん(1474年ねん)に勅命ちょくめいにより大徳だいとく寺じの第だい47代だい住持じゅうじとなり、入寺にゅうじはしませんでしたが、「応仁おうにんの乱らん」により荒廃こうはいした大徳だいとく寺じの復興ふっこうに尽つくしました。

 文明ぶんめい13年ねん(1481年ねん)に酬恩しゅうおん庵あんで示寂じじゃく。

 ちなみに、一休いっきゅう宗純そうじゅんは、後ご小松こまつ天皇てんのうの落おとし胤だねであるとされることから、その墓所ぼしょは宮内くない庁ちょうが御陵ごりょうとして管理かんりする酬恩しゅうおん庵あんにあり「慈揚じよう塔とう」と呼よばれ、一般いっぱんの方かたが墓所ぼしょ前まえにて参拝さんぱいすることはできません。

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 『オトナの一休いっきゅうさん』は、KADOKAWAから出版しゅっぱんされています。NHK・ラジオ第だい2放送ほうそうのラジオドラマおよびNHK・Eテレのアニメにて放送ほうそうされ、大おおきな話題わだいを集あつめた『オトナの一休いっきゅうさん』が、待望たいぼうの書籍しょせき化か。子こども向むけの伝記でんきには書かくことができない、破戒はかい僧そうと呼よばれた一休いっきゅうさんの真実しんじつの姿すがたが、驚おどろきの逸話いつわとともに描えがかれています。悩なやめるあなたの道みちしるべとなる一冊いっさつです。

 『となりの一休いっきゅうさん』は、春陽堂しゅんようどう書店しょてんから出版しゅっぱんされています。イラストレーターの伊野いの孝行たかゆきさんと、一休いっきゅうさんの研究けんきゅう者しゃである飯島いいじま孝良たかよしさんの対談たいだんの中なかから、一休いっきゅうさんの様々さまざまな側面そくめんを知しることができます。イラストレーターならではの独特どくとくな視点してんと若手わかて研究けんきゅう者しゃが、とんでもない破戒はかい僧そうの一休いっきゅうさんを丸裸まるはだかにします。

 『ヘタな人生論じんせいろんより 一休いっきゅうのことば』は、河出かわで書房しょぼう新社しんしゃから出版しゅっぱんされています。一休いっきゅうさんの愛称あいしょうで知しられ、室町むろまち時代じだいの臨済りんざい宗しゅうの僧そうである一休いっきゅう宗純そうじゅんの悟さとりから、人生じんせいに役立やくだつヒントを教おしえてくれる一冊いっさつです。多感たかんな自由人じゆうじんである一休いっきゅうさんの生いき方かたに痺しびれます。

感想

 物事ものごとや出来事できごとに対たいして、解釈かいしゃくで判断はんだんし、思おもい込こみだけで生いきているという人ひとが少すくなからず存在そんざいします。その思い込みというものは、正ただしいとか間違まちがっているとかではなく、その人が無意識むいしきの内うちに判断し、そしてその人にとってはその判断しかできないということです。

 いざこざというのは、人間関係にんげんかんけいによる摩擦まさつや亀裂きれつが原因げんいんであり、それは事実じじつではなく解釈かいしゃくの差異さいによって生しょうじるものです。「事実は一ひとつ、解釈は無数むすう」という言葉ことばがありますが、一休いっきゅうさんの「水飴みずあめ」のお話はなしは、まさにこれに当あてはまるのではないでしょうか。

 和尚おしょうさんが目めにしたものは、
  A: 割われた硯すずり
  B: 無なくなった水飴
 一休さんによると、
  A: 硯を割った
  B: 死しんで償つぐなおうと毒どくである水飴を無くなるまで舐なめた
 ところが事実は、
  B: 水飴を全部ぜんぶ舐めた
  A: 誤魔化ごまかすために硯を割った

 つまり、原因げんいんと結果けっかが正反対せいはんたいなのです。事実は一つですが、しかし解釈によっては事実と違ちがうことになってしまうという現象げんしょうは、当然とうぜんのことながらあり得えるということです。

 「事実」と「解釈」を見分けることができると、思い込みを防ふせぐことができ、違いを受うけ入いれやすくなります。

 自分自身じぶんじしんが選択せんたくした答こたえによって、感情かんじょうが変かわり、思考しこうが変わり、行動こうどうが変わり、結果が変わり、最終的さいしゅうてきには物事の捉とらえ方かたが変わります。人は、顕在意識せんざいいしきと無意識むいしき、そしてこれまでに自分自身が経験けいけんしてきた価値観かちかんから物事を判断してしまう傾向けいこうがあります。自分自身が追おい込こまれた時ときには、思考しこうと視野しやが狭せまくなるので、それが如実にょじつに表あらわれます。

 だからこそ、起おこる出来事できごとを肯定的こうていてきに捉え、感謝かんしゃへ転換てんかんし、朗ほがらかに日々ひびを過すごすことができれば、真しんの強つよさにつながるということを一休さんの頓智とんちを通つうじて伝つたえたかったのではないでしょうか。

まんが日本昔ばなし

『一休いっきゅうさん』
放送日: 昭和51年(1976年)02月28日
放送回: 第0038話(第0021回放送 Aパート)
語り: 市原悦子・(常田富士男)
出典: 表記なし
演出: 高橋良輔
文芸: 沖島勲
美術: 阿部幸次(スタジオユニ)
作画: 倉橋達治
典型: 頓知話とんちばなし・一休咄いっきゅうばなし
地域: 近畿地方(京都府)

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 『一休いっきゅうさん』は「DVD-BOX第だい1集しゅう 第だい5巻かん」で観みることができます。

最後に

 今回こんかいは、『一休いっきゅうさん』のあらすじと内容ないよう解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいしました。

 明あかるく、賢かしこく、そして心優こころやさしい『一休いっきゅうさん』の愉快ゆかい痛快つうかいな頓智とんち話ばなしに、ぜひ触ふれてみてください!

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