昔話『笠地蔵』のあらすじ・内容解説・感想|おすすめ絵本
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 『笠地蔵かさじぞう』は、年としの瀬せも押おしし迫せまる頃ころ、貧まずしいけれど優やさしい男おとこが、道端みちばたに並ならぶ六体ろくたいのお地蔵様じぞうさまを雪ゆきと寒さむさから守まもってあげようと、笠かさを被かぶせてあげたことから物語ものがたりは展開てんかいします。小学校しょうがっこう国語こくご教科書きょうかしょで読よんだという方かたも多おおいと思おもいます。

 今回こんかいは、『笠地蔵』のあらすじと内容ないよう解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいします!

概要

かさじぞう 瀬田貞二 赤羽末吉 福音館書店 笠地蔵 東北地方とうほくちほうの岩手県いわてけんや福島県ふくしまけんに伝つたわる民話みんわとされますが、地蔵信仰じぞうしんこうのない沖縄県おきなわけん以外いがいの日本各地にっぽんかくちに広ひろく分布ぶんぷし、地域ちいきごとに異ことなる部分ぶぶんもみられますが、大晦日おおみそかの出来事できごととする点てんでは違ちがいがありません。また、寺社縁起じしゃえんぎと関連かんれんしているものもあります。

 昭和しょうわ41年ねん(1966年)に福音館書店ふくいんかんしょてんより発行はっこうされた再話さいわ: 瀬田貞二せたていじ・画え: 赤羽末吉あかばすえきちの『かさじぞう』が絵本えほんとしては親したしまれていますが、昭和42年(1967年)にポプラ社しゃより発行された再話: 岩崎京子いわさききょうこ・画: 新井五郎あらいごろうの『かさこじぞう』の絵本を元もとにしたお話はなしが、昭和57年(1982年)から四社よんしゃの出版社しゅっぱんしゃにおいて小学校国語科しょうがっこうこくごか二年生にねんせいの教科書きょうかしょに採用さいようされたことで、より親しまれ定着ていちゃくしました。

 福音館書店ふくいんかんしょてんより出版しゅっぱんされている絵本えほん『かさじぞう』は、昔むかしばなし絵本の第一人者だいいちにんしゃである赤羽末吉あかばすえきちさんの絵本デビュー作さくです。瀬田貞二せたていじさんによる独特どくとくの美うつくしい語かたり口ぐちと赤羽さんが描えがく日本にっぽんの美しい雪ゆきが、子こどもたちを物語ものがたりの世界せかいへと誘いざないます。

 ポプラ社しゃより出版しゅっぱんされている絵本えほん『かさこじぞう』は、岩崎京子いわさききょうこさんのやわらかな文章ぶんしょうと新井五郎あらいごろうさんの味あじわい深ぶかい絵えが相あいまって、現代げんだいに生いきる日本人にっぽんじんが忘わすれかけた大事だいじなものを思おもい出ださせてくれます。

 ポプラ社より出版しゅっぱんされた『日本昔にっぽんむかしばなし かさこじぞう (ポプラポケット文庫ぶんこ)』は、教科書きょうかしょで親したしまれている「かさこじぞう」をはじめ知しっておきたい昔むかしばなしが17篇へん収録しゅうろくされています。

 民俗学者みんぞくがくしゃの柳田國男やなぎたくにお先生せんせいが監修かんしゅうし昭和しょうわ23年ねん(1948年)に日本放送教会にほんほうそうきょうかいより出版しゅっぱんされた『日本昔話名彙にほんむかしばなしめいい』は、日本各地にっぽんかくちから収集しゅうしゅうした昔むかしばなしを類話るいわごとに分類ぶんるいし、おおまかなあらすじと収録しゅうろくされている文献ぶんけんを網羅もうらした事典形式じてんけいしきの本ほんです。

あらすじ

 むかしむかし、雪深ゆきぶかい山奥やまおくに貧乏びんぼうな夫婦ふうふが住すんでいました。

 大晦日おおみそかだというのに米こめはなく餅もちもつけませんでした。そこで、女房にょうぼうが作つくった髪かみに飾かざる綛玉かせだまを売うって、お正月しょうがつの買かい物ものをすることにしました。

 亭主ていしゅが売り物の綛玉を持もって街まちへ向むかう途中とちゅうに地蔵峠じぞうとうげを通とおると、お地蔵様じぞうさまの頭あたまの上うえに雪ゆきが積つもっていたので雪を払はらってあげました。

 大晦日の夕方ゆうがた、街に着ついた亭主のですが誰だれからも見向みむきもされません。仕方しかたがないので亭主は、笠かさ売りのお爺じいさんと、それぞれの売り物を交換こうかんして家路いえじに着きました。

 途中、亭主がまた地蔵峠を通ると、お地蔵様が寒さむそうに立たち尽つくくしていました。優やさしい亭主は笠をお地蔵様の頭あたまに被かぶせて、一ひとつ足たりない分ぶんは自分じぶんが身みにつけていた手拭てぬぐいを被せてあげました。

 家いえに帰かえり、そのことを女房に話はなすと、女房は良よいことをしたと喜よろこんでくれました。

 その夜よる、夫婦が寝ねていると外そとから物音ものおとが聞きこえてきました。出でてみると、そこには米や野菜やさいなどがたくさん置おいてありました。

 夫婦には、遠とおくに峠とうげのお地蔵様の帰かえる後うしろろ姿すがたがみえました。こうして夫婦は無事ぶじにお正月を迎むかえることができました。

解説

 『笠地蔵かさじぞう』の純粋じゅんすいに正ただしい行おこないをする者ものが救すくわれるという展開てんかいは、仏教ぶっきょう思想しそうの観念かんねんに基もとづくものであり、親おやが子こに語かたり継ついでいくことで、子こどもに「思おもいやりの大切たいせつさ」や「人間にんげんの善意ぜんいの素晴すばらしさ」などの道徳どうとくを教おしえ諭さとす寓ぐう話わの要素ようそを持もっています。

感想

 『笠地蔵かさじぞう』の要点ようてんは二点にてんあります。

 一点いってんは、見返みかえりを求もとめない、清きよらかな心こころで施ほどこす、真実しんじつの布施奉仕ふせほうしであり、その尊とうとき心が説とかれています。人間にんげんとは心のどこかで見返りを求もとめてしまうものです。しかし、このお話はなしに登場とうじょうする夫婦ふうふのように、見返りをもとめない心、囚とらわれのない心こそが大切たいせつで、囚われのない心の中なかにこそ、本当ほんとうの幸しあわせがあるということです。

 もう一点は、今いまという時間じかんを大切に生いきているということです。この夫婦は、その日ひの食事しょくじにさえ不自由ふじゆうする貧まずしい生活せいかつであるにも関かかわらず、目めの前まえのお地蔵様じぞうさまが寒さむかろうと、笠かさを差さし出だしました。明日あすどうなるかもわからず未来みらいへの不安ふあんがあるのに、それを気きにしないということは、いまこの瞬間しゅんかんを夫婦が大切に生きているということです。実じつに清々すがすがしく、なんとも潔いさぎよい生き方かたです。

 この夫婦と同おなじ状況じょきょうで、同じ行おこないをするのは大おおきな勇気ゆうきが必要ひつようです。しかし、その尊き心は学まなぶべきでしょう。そして、この夫婦のように、一番いちばん大切なものを施すことはできなくても、施しはいつでも出来できるものです。それは「誰だれかの幸せを祈いのる」ということです。神仏しんぶつに手てを合あわせて幸せを祈ることも、大おおきな心の施しです。

まんが日本昔ばなし

『笠かさ地じ蔵ぞう』
放送日: 昭和50年(1975年)01月07日
放送回: 第0002話(第0001回放送 Bパート)
語り: 市原悦子・(常田富士男)
出典: 表記なし
演出: まるふしろう
脚本: 平見修二
美術: 阿部幸次
作画: 上口照人・樋口雅一
典型: 致富譚ちふたん・地蔵信仰じぞうしんこう
地域: 東北地方

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最後に

 今回こんかいは、『笠地蔵かさじぞう』のあらすじと内容ないよう解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいしました。

 『笠地蔵』は、善悪ぜんあくを対比たいひするようなお話はなしではなく、純粋じゅんすいに正ただしい行おこないをする者ものが救すくわれるという展開てんかいは、読よむ者ものを幸しあわせな気持きもちにさせてくれます。ぜひ触ふれてみてください!

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