昔話『河童のくれた妙薬』のあらすじ・内容解説・感想|おすすめ絵本
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 優やさしさと約束やくそくを守まもる心こころが生うんだ河童かっぱ伝説でんせつ
 『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』は、命いのちを助たすけられた妖怪ようかいの河童かっぱが、そのお礼れいにと、人間にんげんの傷きずによく効きく薬くすりをつくる秘伝ひでんを教おしえるというお話はなしです。

 今回こんかいは、『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』のあらすじと内容ないよう解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいします!

概要

かっぱのすもう 日本の民話えほん 小沢正 太田大八 教育画劇 河童の相撲 河童 妙薬 相撲 『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』は、『河童かっぱの妙薬みょうやく』とも呼よばれるお話はなしで、日本にっぽんの妖怪ようかいである河童かっぱが持もつといわれる伝説でんせつ上じょうの薬くすりの由来ゆらいに関かんするお話はなしです。

 東北とうほく地方ちほう、関東かんとう地方ちほう、四国しこく地方ちほうなど日本にっぽん各地かくちに同様どうようの伝説でんせつが広ひろく残のこされております。

 薬くすりの効能こうのうは、「打うち身み」「火傷やけど」「切きり傷きず」に特とくに高たかい効果こうかを発揮はっきするといわれています。

 それは、河童かっぱは相撲すもうが好すきで、怪我けがが多おおいため、こうした薬くすりを持もっていると考かんがえられていたからです。

 また、水みずの妖怪ようかいである河童かっぱが、金属きんぞくを嫌きらう性質せいしつから、刃物はものによる「切創せっそう」に効果こうかが高たかいともいわれています。

 それから、河童かっぱという名称めいしょうについてですが、それは河童かっぱを「川童かっぱ」とも呼よぶことに由来ゆらいします。「かわ(川)」に子こどもという意味いみの「わらは(童)」が組くみ合あわされた「かわわっぱ」が変化へんかしたものだといわれています。

 芥川龍之介あくたがわりゅうのすけが昭和しょうわ2年ねん(1927年ねん)に発表はっぴょうした小説しょうせつ『河童かっぱ』によってその知名度ちめいどが上あがり、その後ごは代表的だいひょうてきな呼よび名なとなり定着ていちゃくしました。

 絵本えほん『かっぱのすもう (日本にっぽんの民話みんわえほん)』は、教育きょういく画劇がげきから出版しゅっぱんされています。知恵ちえを働はたらかせたお爺じいさんが、河童かっぱとの相撲すもうの勝負しょうぶに勝かつという内容ないようです。小沢正おざわただしさんの文ぶんは、滑稽こっけいなお話はなしの雰囲気ふんいきを楽たのしく表現ひょうげんしています。そして、太田大八おおただいはちさんの絵えは、悪わるくて怖こわい河童かっぱではなく、親したしみ溢あふれ、躍動感やくどうかんのある河童かっぱが描えがかれています。

 かつてテレビで一大いちだいブームを作つくった『まんが日本にっぽん昔むかしばなし』が、二見書房ふたみしょぼうより二見ふたみサラ文庫ぶんことして刊行かんこう。『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』のお話はなしは『まんが日本にっぽん昔むかしばなし 第だい19巻かん』の中なかに収録しゅうろくされています。

 絵本えほん『河童かっぱの妙薬みょうやく (絵本えほん 伊那谷いなだにものがたり 2)』は、白鳥舎はくちょうしゃから出版しゅっぱんされています。長野県ながのけん駒ケ根市こまがねし東伊那ひがしいな地区ちくの「河童かっぱ伝説でんせつ」を中心ちゅうしんに、日本にっぽん各地かくちの河童かっぱにまつわるお話はなしを織おり交まぜた物語ものがたりです。

 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの『河童かっぱ』は、筑摩ちくま書房しょぼうより出版しゅっぱんされている『芥川龍之介あくたがわりゅうのすけ全集ぜんしゅう 6 (ちくま文庫ぶんこ)』に収録しゅうろくされています。『河童かっぱ』は、主人公しゅじんこうが「河童かっぱの国くに」に迷まよい込こみ様々さまざまな体験たいけんをする物語ものがたりです。

あらすじ

 むかしむかし、ある山里やまざとの村むらで、子こどもたちが大勢おおぜい集あつまり、秋祭あきまつりの相撲すもう大会たいかいの練習れんしゅうをしていました。

 すると、見知みしらぬ小ちいさな子こどもが、相撲すもうを遠とおくから眺ながめていました。

 それに気きづいた村むらの子こどもの一人ひとりが相撲すもうを取とると、いとも簡単かんたんに投なげ飛とばされてしまいました。

 村むらの子こどもが、二人ふたりでかかっても、三人さんにんでかかっても、五人ごにんでかかっても勝かてませんでした。

 「なんて強つよいんだ!こんな時ときに五作ごさくがおったら」
と村むらの子こどもたちが悔くやしがっていると、噂うわさの五作ごさくがやってきました。

 五作ごさくは、昨年さくねん、村むらの鎮守ちんじゅさまの子こども相撲すもうで優勝ゆうしょうした、村むらの中なかでは一番いちばん相撲すもうの強つよい子こどもでした。

 「さあ、オラと勝負しょうぶだ!」
と五作ごさくは言いって、見みなれない子こどもと五作ごさくが、がっぷりと四よつに組くみました。

 「えいっ!」
と五作ごさくが大おおきな声こえを出だした瞬間しゅんかん、見みなれない子こどもは投なげ飛とばされていました。

 負まけた子こどもは、ゆっくりと起おき上あがり、
 「明日あす、仏ほとけさんのご飯はんを食たべずに来こい。そうしたらオレが勝かつ!」
と五作ごさくに言いいました。

 五作ごさくは不思議ふしぎに思おもいながら、家いえに帰かえり、それをお祖父じいさんに話はなすと、
 「だったら明日あすは、仏ほとけさんのご飯はんを食たべずに行いきなさい」
と笑わらいながらお祖父じいさんは言いいました。

 次つぎの日ひ、五作ごさくが昨日きのうの子こと相撲すもうを取とると、今度こんどは負まけてしまいました。

 勝かったその子こが、
 「オレとの約束やくそく通どおり、仏ほとけさんのご飯はんは食たずに来きたんだな」
と嬉うれしそうに言いうので、五作ごさくもなんだか嬉うれしくなりました。

 「仏ほとけさんのご飯はんなんて言いうのはおかしい。お前まえ、もしかして河童かっぱじゃないか」
と村むらの子こどもたちが、相撲すもうに勝かった子こを責せめました。

 見物けんぶつしていた大人おとなも子こどもも、その子こに詰つめ寄より、殴なぐったり蹴けったりしました。

 そして、若者わかものの一人ひとりが、木きの棒ぼうで殴なぐろうとしたので、
 「待まってくれぇ!」
と五作ごさくのお祖父じいさんが、河童かっぱと若者わかものの間あいだに飛び込こみました。

 そして、お祖父じいさんはみんなをなだめ、河童かっぱを助たすけてあげました。

 実じつは、お祖父じいさんは、その子こが河童かっぱであることに気きづいていたのでした。

 五作ごさくとお祖父じいさんは、四方川よもがわの上流じょうりゅうにある沼ぬままで河童かっぱを連つれて行いくと、そこに河童かっぱを逃にがしてやりました。

 すると、その晩ばん、五作ごさくの家いえに、河童かっぱのお祖父じいさんが訪たずねてきました。

 「今日きょうは、可愛かわいい孫まごの命いのちをお助たすけくださり、ありがとうございます。そのお礼れいに、『河童かっぱの妙薬みょうやく』の作つくり方かたをお教おしえいたします」
と河童かっぱしか知しらない薬くすりの作つくり方かたを教おしえてくれました。

 河童かっぱが教おしえてくれた妙薬みょうやくは、打うち身みや捻挫ねんざに、非常ひじょうによく効きく薬くすりでした。

 村むらの子こどもたちは、五作ごさくに妙薬みょうやくを塗ぬってもらい、相撲すもうの練習れんしゅうに励はげんだそうです。

 また、たくさんの人ひとたちが五作ごさくの家いえに、河童かっぱが教おしえてくれた妙薬みょうやくを買かいに来くるようになり、五作ごさくの家いえはとても裕福ゆうふくになったそうです。

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解説

 河童かっぱは、川かわや沼ぬまの中なかに住すみ、泳およぎが得意とくいな妖怪ようかいと伝つたわります。

 河童かっぱの由来ゆらいは、大おおまかに西にし日本にほんと東ひがし日本にほんに分わけられます。

 西にし日本にほんでは、中国ちゅうごく神話しんわの中なかに登場とうじょうする黄河こうがの水神すいじんである“河伯かはく信仰しんこう”に関連かんれんする、大陸たいりくからの渡来とらいとされています。

 しかし、東ひがし日本にほんでは、平安へいあん時代じだいの陰陽師おんみょうじである安倍晴明あべのせいめいが操あやつる“式神しきがみ”と呼よばれる鬼神きしん、飛鳥あすか時代じだいの呪術師じゅじゅつしである役小角えんのおづぬの“護法童子ごほうどうじ”、それから江戸えど時代じだい初期しょきに活躍かつやくしたとされる伝説的でんせつてきな彫刻ちょうこく職人しょくにんで飛騨ひだの匠たくみと伝つたわる左甚五郎ひだりじんごろうが、自分じぶんの仕事しごとを手伝てつだわせるために作つくった人形にんぎょうが変へんじたものとされています。

 さて、河童かっぱは相撲すもうが大好だいすきで、よく子こどもを相撲すもうに誘さくい、相撲すもうに負まけた子どもの肛門こうもんの所ところにあると考かんがえられている「尻子玉しりこだま」を抜ぬくという伝承でんしょうがあります。

 ところが、相撲すもうの勝負しょうぶに勝かつと「河童かっぱの妙薬みょうやく」をもらえるといわれています。

 ちなみに、尻子玉しりこだまを抜ぬかれると腑抜ふぬけになってしまうそうです。

 河童かっぱは人間にんげんの大人おとなよりも力ちからが強つよいが、「仏前ぶつぜんに供そなえたご飯はんを食たべた後あとに戦たたかえば子こどもでも負まけない」と伝つたわります。

 また、相撲すもうを取とる前まえにお辞儀じぎをすると河童かっぱもお辞儀じぎを返かえし、それにより頭あたまの皿さらの水みずがこぼれてしまうため、力ちからが出だせなくなるというお茶目ちゃめな一面いちめんも伝つたわります。

 ちなみに、河童かっぱが相撲すもうを好このむのは、相撲すもうが元々もともと、水神すいじんに奉ささげる行事ぎょうじだったためといわれています。

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感想

 河童かっぱは、日本人にっぽんじんに最もっともよく知しられている妖怪ようかいの一ひとつではないでしょうか。

 漫画まんがやアニメーションなどの作品さくひんに登場とうじょうするばかりでなく、テレビCMのキャラクターや地方ちほう自治体じちたいのマスコットにも採用さいようされています。

 そうした現象げんしょうは、多おおくの日本人にっぽんじんが「河童かっぱとはこういうものだ」という共通きょうつうの認識にんしきを持もっているからでしょう。

 日本人にっぽんじんがすぐに思おもい浮うかべる“河童かっぱ像ぞう”は、次つぎのようなものではないでしょうか。

 童児どうじの姿すがたをし、頭あたまのてっぺんに水みずをたたえた皿さらがあり、髪かみの形かたちは、いわゆるおかっぱ頭あたまにしています。

 頭上ずじょうの皿さらの水みずは河童かっぱの生命せいめいの根源こんげんで、その水みずがなくなると死しぬといわれています。

 体表たいひょうに毛けはなく体からだの色いろは緑色みどりいろで、口くちは鳥とりのクチバシのようにとがっていて、黄色きいろいクチバシとして表現ひょうげんされることもあります。

 背中せなかには亀かめのような甲羅こうら、手足てあしの指ゆびには水掻みずかきがあります。

 さらに、川かわや池いけなどの水中すいちゅうに潜すみ、人間にんげんを水中すいちゅうに引ひきずり込こみ、溺死できしさせる恐おそろしい妖怪ようかいといわれています。

 しかし、その一方いっぽうでは、この『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』のような民話みんわに登場とうじょうする河童かっぱは、必かならずしも恐おそろしい妖怪ようかいではなく、恩義おんぎに厚あつく、可愛かわいらしくて、ひょうきんな性格せいかくが多おおいように感かんじます。

まんが日本昔ばなし

『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』
放送日: 昭和51年(1976年)09月11日
放送回: 第0081話(第0049回放送 Aパート)
語り: 常田富士男・(市原悦子)
出典: 表記なし
演出: 児玉喬夫
文芸: 沖島勲
美術: 山守啓陽
作画: 樋口雅一
典型: 由来譚ゆらいたん・河童譚かっぱたん
地域: 九州地方

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 『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』は「DVD-BOX第だい5集しゅう 第だい23巻かん」で観みることができます。

最後に

 今回こんかいは、『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』のあらすじと内容ないよう解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいしました。

 河童かっぱは恐おそろしい妖怪ようかいと伝つたわりますが、昔話むかしばなしに登場とうじょうする河童かっぱは、不思議ふしぎとひょうきんな性格せいかくのものが多おおいように感かんじます。『河童かっぱのくれた妙薬みょうやく』も、そんな人間にんげんと河童かっぱの心こころの触ふれ合あいが描えがかれています。ぜひ触ふれてみてください!

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