昔話『力太郎』のあらすじ・内容解説・感想|おすすめ絵本
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 『力ちから太郎たろう』は、お爺じいさんとお婆ばあさんの“垢あか”から生うまれた男おとこの子こです。大おお食ぐいで、百貫ひゃっかん目めの金棒かなぼうを振ふり回まわす力ちから持もちです。家来けらいを従したがえて、村むらを荒あらす鬼おにを退治たいじします。

 今回こんかいは、『力ちから太郎たろう』のあらすじと解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいします!

概要

 『力ちから太郎たろう』は、お爺じいさんとお婆ばあさんが体からだの“垢あか”をこすって人形にんぎょうを作つくったところ、その人形にんぎょうに命いのちが芽め生ばえ、突然とつぜん泣なき出だし、立派りっぱな人間にんげんの子こどもになったという、垢あかから生うまれた男おとこの子このお話はなしです。

 東北とうほく地方ちほうに伝つたわる民話みんわです。

 『桃もも太郎たろう』『一寸いっすん法師ぼうし』『かぐや姫ひめ』などと同おなじ“小人こびと伝説でんせつ”の一ひとつで、日本にっぽんでは数かず多おおくみられます。

 ちなみに、『力ちから太郎たろう』のお話はなしは、『一寸いっすん法師ぼうし』と同おなじ系統けいとうに入はいります。

 絵本えほん『ちからたろう (むかしむかし絵本えほん 5)』は、ポプラ社しゃより出版しゅっぱんされています。今江いまえ祥智よしともさんの躍動やくどう感かんあふれる文ぶんと田島たしま征三せいぞうさんの力ちから強づよい絵えが、絶妙ぜつみょうなバランスで重かさなり合あい、とても楽たのしい絵本えほんです。物語ものがたりは、日本にっぽん文化ぶんかそのものであり、現代げんだいにも通つうじる内容ないようなので、現代げんだいの子こどもたちにも読よんでもらいたい一冊いっさつです。


 絵本えほん『ちからたろう (日本にっぽん名作めいさくおはなし絵本えほん)』は、小学館しょうがっかんより出版しゅっぱんされています。杉山すぎやま亮あきらさんの生いき生いきした文ぶんと伊藤いとう秀男ひでおさんのダイナミックな絵えが、見事みごとにマッチした絵本えほんです。雄大ゆうだいな物語ものがたりなので、昔むかし話ばなしの醍醐だいご味みを十分じゅうぶんに堪能たんのうすることができます。

 『岩手県いわてけんの民話みんわ (県別けんべつふるさとの民話みんわ 26)』は、偕成社かいせいしゃより出版しゅっぱんされています。民俗みんぞく学者がくしゃの柳田やなぎた國男くにお先生せんせいが、岩手県いわてけん遠野とおの地方ちほうで収集しゅうしゅうした説話せつわや民話みんわなどを収録しゅうろくした作品さくひんが『遠野物語とおのものがたり』です。その『遠野物語とおのものがたり』を生うんだ民話みんわの宝庫ほうこから、「こんび太郎たろう」など素朴そぼくで暖あたたかい手てざわりの選えらびぬいたお話はなしばかり36篇へん収録しゅうろくされています。

あらすじ

 むかしむかし、あるところに風呂ふろにも滅多めったに入はいれないほど貧まずしい上うえにものぐさな老夫婦ろうふうふが住すんでおりました。

 何日なんにちも風呂に入っていなかったので体中からだじゅうが垢あかだらけでした。

 ある日ひ、老夫婦は自分じぶんたちの体からだの垢を落おとして、それで人形にんぎょうを作つくることにしました。

 すると、その人形が動うごき出だし、飯めしまで欲ほしがりました。

 老夫婦は、この子こを「力太郎ちからたろう」と名付なづけて、大切たいせつに育そだてることにしました。

 数年すうねんが経過けいかしたある日、力太郎が力試ちからだめしの武者修行むしゃしゅぎょうに行いくと言いうので、百貫目ひゃっかんめの金棒かなぼうを作り送おくり出だしました。

 旅たびの途中とちゅうで出会であった、「御堂みどうっこ太郎たろう」と「石いしっこ太郎たろう」という力自慢ちからじまんの二人ふたりとの勝負しょうぶにそれぞれ勝かち、彼かれらを家来けらいに加くわえることにしました。

 その後ご、ある町まちに着ついたのですが、町は静しずまりかえっていて人ひとの気配けはいがありませんでした。

 長者ちょうじゃの家いえまで来くると、そこで泣ないている長者の娘むすめを見みつけました。

 訳わけを娘に聞きくと、
 「この町には毎月一日まいつきついたちに化ばけ物ものが現あらわれ、生いけ贄にえの娘を食たべてしまうのです」
と娘は言いいました。
 そして、
 「今日きょうは私わたしがその生け贄になる日なのです」
とも言いました。

 そこで、力太郎は化ばけ物ものを退治たいじすることにしました。

 夜よるになり、化け物が現あらわれました。

 まず、御堂っこ太郎が飛とびかかりますが、化け物に食たべられてしまいました。

 石っこ太郎も後あとに続つづきましたが、同おなじように食べられてしまいました。

 最後さいごに残のこった力太郎が化け物と戦たたかっていると、食べられたはずの二人が化け物の腹はらの中なかで暴あばれたので、化け物は倒たおれてしまいました。

 こうして化け物を退治たいじした三人さんにんは、それぞれ長者の三人娘さんにんむすめを嫁よめにして、力太郎は里さとの両親りょうしんを呼よんで楽たのしく暮くらしました。

解説

 『力ちから太郎たろう』と同様どうようのお話はなしの分布ぶんぷは、ほとんどが東北とうほく地方ちほうに限かぎられています。

 それから、身体しんたいの一いち部分ぶぶんから生うまれ代かわるという内容ないようのお話はなしも東北とうほく地方ちほうに多おおく存在そんざいします。

 青森県あおもりけんには母親ははおやの踵かかとから生うまれた『あくと太郎たろう』、岩手県いわてけんにはお婆ばあさんの脛すねから生うまれた『脛すねこたんぱこ』など、様々さまざまな名なを有ゆうしていますが、それらは一様いちように“力ちから持もち”という点てんが共通きょうつうしています。

 また、『力ちから太郎たろう』は『グリム童話どうわ集しゅう』の「六人ろくにん組ぐみ世界せかい歩あるき」や「六人ろくにんの家来けらい」と同おなじ型かたであることから、同様どうようのお話はなしが世界せかい各地かくちにも広ひろく分布ぶんぷしていると考かんがえられます。

 最後さいごに、お話はなしに登場とうじょうする百貫ひゃっかん目めはおよそ375キログラムです。

 製鉄せいてつ技術ぎじゅつの発達はったつしていなかった時代じだいでは、この重おもさの金棒かなぼうはかなり高価こうかなものだったと考かんがえられます。

 絵本えほん『グリムどうわ (母ははと子このおやすみまえの小ちいさな絵本えほん)』は、ナツメ社しゃから出版しゅっぱんされています。子こどもたちのさまざまな感情かんじょうを喚起かんきさせ、想像そうぞう力りょくを高たかめるお話はなしが、バラエティー豊ゆたかな挿絵さしえと共ともに収録しゅうろくされています。それぞれのお話はなしからわかる教訓きょうくんや読よみ聞きかせのポイントも解説かいせつされています。読んだ日ひを記入きにゅうする欄らんもあります。

感想

 主人しゅじん公こうである力ちから太郎たろうの豪快ごうかいさが楽たのしいお話はなしです。

 力ちから太郎たろうは、その名なの通とおりもの凄すごい力持ちからもちで、その力ちからを示しめす逸話いつわの数々かずかずが笑わらっちゃうほど凄すごすぎます。

 このような超越ちょうえつ的てきな冒険ぼうけん活劇かつげきの要素ようそが入はいったお話はなしは、現在げんざいの日本にっぽんの子こどもたちにも十分じゅうぶんに受うけ入いれられるのはないでしょうか。

 さて、古来こらい、日本にっぽんでは水みずにて身心しんしんの罪穢つみけがれを除のぞき清きよめるための行為こういを「垢離こり」と言いいます。

 『力ちから太郎たろう』は、そんな一見いっけん、汚きたならしく思おもえる体からだの“垢あか”で人形にんぎょうを作つくるところからお話はなしが始はじまります。

 垢離こりと呼よばれる禊みそぎの行為こういが、いかに精神せいしんと身体しんたいの調和ちょうわを保たもつために大切たいせつであるかということと、普段ふだんは捨すてられてしまう垢あかですが、このお話はなしでは単たんに捨すてるのではなく、それと向むき合あい、感謝かんしゃの気き持もちを持もつことで、思おもいもよらなかった幸運こううんが舞まい込こんでくるといった教訓きょうくんが隠かくれているのかもしれません。

まんが日本昔ばなし

『力ちから太郎たろう』
放送日: 昭和51年(1976年) 01月31日
放送回: 第0032話(第0017回放送 Aパート)
語り: 常田富士男・(市原悦子)
出典: 表記なし
演出: 光延博愛
文芸: 沖島勲
美術: まるふしろう
作画: 川島明
典型: 異常誕生譚いじょうたんじょうたん
地域: 東北地方(岩手県)

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最後に

 今回こんかいは、『力ちから太郎たろう』のあらすじと解説かいせつ、感想かんそう、おすすめ絵本えほんなどをご紹介しょうかいしました。

 『力ちから太郎たろう』は、日本人にっぽんじんが忘わすれずに持もち続つづけなければいけない、日本にっぽん文化ぶんかそのものの魅力みりょくや独自どくじ性せいが盛もり込こまれたお話はなしです。現代げんだいにも通つうじる内容ないようなので、子こどもたちには読よんでもらいたい物語ものがたりです。ぜひ触ふれてみてください!

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