
切れ者・彦市vsいたずらタヌキの頓智バトル
一般的には“彦一”と表記される彦市は、日本における著名な頓智話の主人公です。『タヌキと彦市』は、熊本県八代地方に伝わり、数多くの頓智話が収められている『彦一ばなし』の中の一つです。現在も児童文学などで盛んに取り上げられ、人々に愛され続け、次の世代に脈々と語り継がれているお話です。
今回は、『タヌキと彦市』のあらすじと解説、感想、おすすめ絵本などをご紹介します!
概要
一般的には“彦一”と表記される、熊本県八代地方に伝わる「彦一ばなし」の彦一は、室町時代の一休さんや、豊後国(現在の大分県)に伝わる吉四六さんと同じく、日本を代表する頓智話の主人公で、「とんちの名人」として親しまれ、庶民の知恵や明るさを象徴するキャラクターとして愛されています。
『タヌキと彦市』は、「彦一ばなし」の代表的なエピソードで、頓智が利く彦市と、いたずら好きのタヌキが繰り広げるユーモラスな知恵比べの物語です。
彦一の素性に関しては、謎の部分が多く、架空の人物ではないかといわれています。
ただし、一方では、肥後国(現在の熊本県)の熊本藩八代城の城下町の出町に居住していた下級武士で、定職を持たず、農作業や傘職人などをして生計を立てていたともいわれています。
また、出町にある光徳寺には、彦一のお墓と伝わる「彦一塚」があります。
「彦一ばなし」の最大の特徴は、町人やお殿様などのお話のみならず、タヌキやキツネなどの動物から河童や天狗などの妖怪まで、素材がとても豊富だということです。
そして、彦一が働かせる頓智は、ズルい者や権力者を懲らしめたりするものではなく、失敗をした彦一が、赤恥をかいたり、民衆に笑いを振りまいたりと、『タヌキと彦市』に代表されるような、彦一の陽気な人物像をうかがわせるものばかりです。
テレビアニメとして放送され、大人気を博し、長寿番組となった『まんが日本昔ばなし』の絵本です。その絵本が、二見書房から新装改訂版として再登場しました。一つのケース(1巻)に一話1冊で4冊のお話が入っています。1巻~15巻が発売されているので、全巻で60話の昔話を楽しむことができます。「タヌキと彦市」は『まんが日本昔ばなし 第11巻 (新装改訂版)』の中に収録されています。 『ひこいちばなし (むかしむかし絵本 1)』は、ポプラ社から出版されています。むかしむかし絵本シリーズ全30巻の第1弾は、日本における著名な頓智話の主人公・彦一です。その「彦一ばなし」の中でも、特に人気の高い「天狗の隠れ蓑」のお話です。この絵本シリーズは、大型本なので絵が大きく、読みやすいと長年支持されています。大川悦生さんが、民話を語る会で培った語り口で、肥後国(現在の熊本県)に伝わる「彦一ばなし」を再話しました。方言を残しつつ、子どもにも心地よいリズムに仕上げています。イラストを担当した箕田源二郎さんは、天狗の威勢の良い顔や、彦一のいたずらっぽい表情を生き生きと描き、ページをめくるたびに笑いが込み上げます。天狗から奪い取った隠れ蓑を使い、彦一のいたずらがエスカレートして、最後は痛い目を見るという物語の展開を、「欲張りすぎると失敗する」という教訓としてユーモアたっぷりに描き、「調子に乗ってはダメ」というメッセージが優しく伝わります。楽しさと人生の教訓が自然に染み込む、世代を超えて愛される一冊です。あらすじ
むかしむかし、ある村に彦市という頓智の働く男が住んでいました。彦市が住む家の裏山には、いつも人を騙しては悪さをするタヌキが住んでいました。
ある寒い日の夜、タヌキが旅人に化けて彦市の家にやってきました。彦市は旅人がタヌキと分かっていましたが、素知らぬ顔で家に招き入れ、酒などを振る舞ってあげました。
するとタヌキが彦市に、
「この世で一番怖いものは何かね?」
と尋ねるので、
「実は饅頭を見ると恐怖で体が震えるんだよ」
と彦市は真面目な顔をして答えました。
翌日、家の前には饅頭が山ほど積まれて置いてあったので、彦市は嬉しくてたまりませんでしたが、
「こんな恐ろしいことをしたのは誰だ!」
と彦市は怖がるふりをして、母と二人で饅頭をお腹いっぱい食べました。
その様子を見て、タヌキは初めて騙されたと気づきました。
怒ったタヌキは、今度は一晩中かけて、村中の石ころを集めて、それを彦市の畑に投げ込みました。
あくる日の朝、彦市は畑を見てびっくりしましたが、少しも騒がず、わざと大きな声で、
「これは石肥三年と言って、とても良いことだ。これがもし馬の糞だったら大変なことになっていた」
と言いました。
それを聞いたタヌキは「しまった」と思い、畑から石を全部運び出すと、その晩のうちに苦労して馬の糞を集め、今度は馬の糞を彦市の畑にまきました。
次の日の朝、彦市が畑を見ると思った通りになっていたので、
「これはまた困ったことをしてくれたな」
とにっこりしながら言いました。
タヌキのおかげで、馬の糞がなくなり村が美しくなり、そして、その年はタヌキがまいてくれた馬の糞のおかげで、彦市の畑は大豊作となりました。
彦市は騙せないと悔しがるタヌキに、大豊作のお礼にと彦市はタヌキにトウモロコシをあげました。
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解説
「彦一ばなし」と呼ばれる彦一にまつわる民話は、八代地方を中心とした熊本県では現在も語り継がれています。
彦一は、熊本県民にはとても親しみのある人物であると同時に、児童文学や戯曲などにも盛んに採り上げられることも多いため、日本を代表する頓智者でもあります。
物語から得られる彦一の人物像は、心の正しい善人であり、年の頃は子どもではなく老人でもない、むしろ働きざかりの青年といった印象で、妻子がいます。
家は長屋に住み、生活の程度は低く、その日暮しとして語られることが多いですが、どんな職業であったのかは、はっきりしません。
大きな体格と紹介され、気やすく、人々の心を和ませることに長けた性格であったようです。
神通力などといったものは持ち合わせていなく、無学であるが智恵や才覚があり、とにかく頓智や機知で窮地を切りぬけることが多いです。
それらは、まさに庶民の願望です。彦一の明るさは、いってみれば庶民の明るさです。だから頓智話が語りつがれ、現在も場を和ませる笑いを提供してくれるのでしょう。
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感想
昔話には、時々 人間の力では、とうてい及びもつかないことをやってのける英雄や特別な力を持つ者が登場しますが、『タヌキと彦市』の主人公である彦一(彦市)は、頓智で相手を懲らしめたり、ぎゃふんといわせたりします。
そして、お話を読み終えると、読み手も聞き手もみんな気持ちがスカッとします。
「彦一ばなし」と呼ばれる彦一にまつわる頓智話は、日本の伝統や文化の中で育てられた民衆の“智恵”だと思います。
つまり、彦一は、民話の世界に生きる民衆の希望や願望であったといえるでしょう。
彦一のように智恵をしぼれば、希望や願望は叶うという教訓を伝えているのでしょう。
まんが日本昔ばなし
『タヌキと彦市』
放送日: 昭和51年(1976年)05月29日
放送回: 第0058話(第0034回放送 Aパート)
語り: 市原悦子・(常田富士男)
出典: 表記なし
演出: 水沢わたる
文芸: 沖島勲
美術: 山守正一
作画: 福田皖
典型: 頓智話・彦一噺
地域: 九州地方(熊本県)
『タヌキと彦市』は「DVD-BOX第9集 第45巻」で観ることができます。
最後に
今回は、『タヌキと彦市』のあらすじと解説、感想、おすすめ絵本などをご紹介しました。
『タヌキと彦市』は、タヌキが必死に仕返しする度に、彦市が頓智ですべてを自分に良い方向へ転がしてしまうのがクスッと笑えて、しかも「知恵があればピンチもチャンスに変えられる」という教訓も感じられる、心温まるお話です。今も八代地方で語り継がれている「彦一ばなし」の世界に、ぜひ触れてみてください!














































